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河野愛

撮影:堀井ヒロツグ

INTRODUCTION

< I > boat  (場所:5F南)

< I > (場所:7Fセットバック 外からご覧ください)

ある入り江のほとりにあったホテルの名を示すネオン看板の一部、アルファベット<I>をモチーフとしている。今は亡き祖父母が建て、暮らしていた場所でもあるそのホテルの屋上で何十年もの間、光りを放ち続けてきた。幼き私自身のプライベートな空間としての記憶と、数多の人が旅に行き交う外的でパブリックな場所としての記憶が混じり合い、その建物は語られるものとなった。

今回、そのネオン看板<I>を、ホテルと同じく役目を終え、解体が予定される大阪・船場の旧オフィスビルへ移設する。とある入り江から、かつて一帯が船着き場として機能したこの土地へ。なくなった建物からなくなろうとする建物へ。移すという行為は、この世から他界へと送り出すひとつの「舟葬」とも言えるのではないだろうか。
2018年、2021年と場所を変えて続く、<I>の続編である。場や地の記憶、気配の交錯や解放のような作業を試み、新たな物語を生成したいと考えている。

PROFILE

1980年滋賀県生まれ。大阪市在住。2007年京都市立芸術大学大学院 美術研究科 染織 修了。在学中にRoyal College of Art 交換留学。大学院修了後、2017年まで広告代理店にてアートディレクターとして勤務。現在、京都芸術大学 美術工芸学科 専任講師。染織やテキスタイルを制作におけるルーツとし、陶やガラス、布、収集した骨董、写真などを複合的に用い、場所や人の記憶や時間、価値の変化をテーマにしたインスタレーションを発表している。 近年の主な展覧会に 滋賀県立美術館リニューアルオープン記念展「Soft Territory かかわりのあわい」、紀南アートウィーク2021、「これまでとこれからのかわるものとかわらないものの日常の近未来」あまらぶアートラボA–Lab (2021)、「Story teller 物語を紡ぐ」アキバタマビ21(2019)、「シガアートスポットプロジェクトVol.1 散光/サーキュレーション」滋賀県立近代美術館主催(2018)、個展「in the nursery 逸話ではないもの」ギャラリー崇仁(2018)など。https://aikawano.com

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参加会場

船場エクセルビル

〒541-0056 大阪府大阪市中央区久太郎町3丁目2−11 船場エクセルビル 5F南&7Fセットバック

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